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パニック障害の治し方|不安・発作への対処法と回復への5ステップ【公認心理師が解説】

パニック障害の治し方|不安・発作への対処法と回復への5ステップ【公認心理師が解説】

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「またパニック発作が起きたらどうしよう」

「電車に乗るのが怖くて、通勤がつらい…」

そんな不安を抱えながら、毎日を過ごしていませんか?突然の動悸や息苦しさ、強い不安感に襲われ「パニック障害」と診断された方にとって、「どう治していけばいいのか分からない」と焦る気持ちがあるかもしれません。

パニック障害は、突然理由がないのに強い不安・恐怖に襲われる「パニック発作」が繰り返し起こる病気です。しかし、適切な治し方と対処法を知ることで、必ず回復を目指せます。

この記事では、パニック障害の基本から、効果が期待できる治療法、ご自身でできる対処法まで、公認心理師がわかりやすく解説します。あなたのパニック障害を改善し、不安のない日常生活を取り戻すための具体的なステップを選択していきましょう。

パニック障害とは?主な症状と特徴

パニック障害とは、突然、動悸や息苦しさ、めまい、強い不安感などに襲われる「パニック発作」が繰り返し起こる病気です。多くの場合、身体的な異常がないにもかかわらず、「このまま死ぬかも」「気が狂うかも」といった強い恐怖を伴います。

たとえば、次のような症状があります。

心臓がドキドキする、脈が速くなる

息が苦しくなる、息が詰まる感じがする

めまい、ふらつき、気が遠くなる感覚

冷や汗をかく、体が震える

吐き気や腹部の不快感

手足のしびれ、うずき

体調不良時に「このまま死ぬかも」と感じる強い恐怖

こうした発作が繰り返し起きると、「また発作が起きたらどうしよう」という「予期不安」が強くなります。その結果、電車やエレベーター、人混みなど、逃げられないと感じる場所や状況に対して不安が強くなる「広場恐怖」を伴う方も少なくありません。通勤中に発作が起きる恐怖から、休職に至るクライエントさんも多くいらっしゃいます。

パニック障害は完治する?回復までの期間と過程

結論から言うと、パニック障害は適切な治療と対処法によって、症状をコントロールし、回復を目指せる病気です。

ただし、治療には時間がかかることもあり、「よくなったり悪くなったり」を繰り返すこともあります。これは病気の改善によく見られるプロセスであり、焦る必要はありません。大切なのは、小さな回復を積み重ね、少しずつ前向きに進んでいくことです。

パニック障害がひどくなる時期はいつですか?

ストレスが多い時期や、生活リズムが乱れた時、睡眠不足の時などに症状が悪化しやすい傾向があります。また、過去にパニック発作を経験した状況に類似した状況に置かれると、発作が誘発されやすくなることもあります。ご自身の心と身体の反応を理解して、早めに対処することが改善への必要な行動となります。

パニック障害の治し方5選と回復へのステップ

パニック障害に有効と考えられている、以下の5つの治し方と回復へのステップをご紹介します。すべてを一度に取り入れようとせず、ご自身の状況やこころの状態に合わせて、できそうなことから始めていきましょう。

治し方①:心療内科や精神科に相談する

「パニック障害かも」と少しでも感じたら、専門家への相談が回復への第一歩です。自己判断だけでは適切な治療にたどり着けず、症状が長引くことがあるからです。

心療内科や精神科では、症状の程度や生活状況をふまえて、薬物療法やカウンセリングなどの治療法を提案してもらえます。正確な診断名がつくことで「自分だけじゃない」「病気なんだ」と安心できる患者さんも多くいらっしゃいます。

不安が続くなら、迷わず一度、医師に相談してみてください。専門的なサポートを受けることで、安心して回復への道を歩めますよ。

治し方②:薬物療法でパニック発作を緩和させる

不安やパニック発作が強いときは、薬の力を借りるのも有効な治し方です。薬によって症状を抑え、心の安定を取り戻していきます。

パニック障害ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などがよく使われますが、必ず医師の指示に従って服用してください。薬物療法は、不安感や予期不安を軽減し、生活の質を取り戻す手助けになります。焦りがちな心を落ち着かせ、次のステップに進むための土台作りとして必要な選択肢です。

治し方③:認知行動療法で不安への反応を変える

パニック障害の根本改善には、認知行動療法(CBT)も効果的な治療法です。

発作や不安を引き起こす「考え方のクセ」を見直し、安心できる思考パターンに変えていきます。

例えば「電車=危険」「また倒れるかも」という思考に対して、「本当にそうなのか?」「前も大丈夫だった」といった視点を持ち直すことで、不安の和らぎを目指します。

小さな行動実験を繰り返し、「案外大丈夫だった」と思える体験を積み上げていくのが特徴です。

薬だけに頼らず、再発予防まで考えるなら、CBTの併用はとても有効です。

注意点として、長期間パニック障害を患っている方や、お薬でなかなか改善が見られない方、強い不安感やフラッシュバックが顕著なケースでは、より深い感情や過去の体験に根ざした症状へのアプローチが必要となります。
認知行動療法は現在の「考え方」を変えることに主眼を置くため、認知行動療法だけでは効果が薄いこともあります。そのようなケースでは、他の治療法や心理療法との併用を検討することが重要です。

治し方④:セルフケアを身につける

「いざという時に自分でできることがある」と思えるだけで、心に余裕が生まれ、予期不安を軽減できます。

例えば、以下のような方法があります。

ゆっくりとした腹式呼吸で、過呼吸を落ち着かせる

「これは発作。命にかかわるものではない」と自分に言い聞かせる

五感(視覚・聴覚・触覚など)に意識を向けて「今ここ」を意識する(グラウンディング)

こうした方法は、通勤途中や人前でもこっそり実践できます。「もしものときの対処法」があることで、不安が発作にまで進みにくくなることもあるのです。

治し方⑤:生活リズムを整える

心の回復には、日常生活のリズムと安心できる環境づくりも欠かせません。睡眠不足や疲労、過度なストレスは発作や不安を引き起こしやすくなります。

たとえば、次のような方法の中でできることから試してみましょう。

決まった時間に寝起きする

栄養バランスを意識する

信頼できる人と過ごす時間を増やす

「安心できる場所」や「一息つける時間」をつくる

リラックスタイムを作ることで回復を早められます。「安心」を感じられる瞬間を日常に増やし、不安の波に飲まれにくくしていきましょう。これはパニック障害の予防にも繋がります。

通勤や外出が怖いときの具体的な対処法

「電車に乗るのが怖くて出勤できない」「人混みでまた発作が出たら…」このような気持ちは、パニック障害を抱える人の多くが感じています。

しかし、段階的に慣らしていく「段階的曝露(エクスポージャー)」という行動も可能です。無理なく恐怖を克服するヒントとして試してみてください。

混雑を避けた時間に駅に行く(例:始発電車に乗る)

駅のホームでしばらく過ごす

一駅だけ電車に乗ってみる

信頼できる人と一緒に外出する

無理せず、「できる範囲から」少しずつ行動を広げていくことが、結果的に自信につながっていきます。なるべく行動範囲を狭めないことも大切です。焦らず、小さな成功体験を積み重ねていきましょう。

パニック障害の治し方にはセルフEMDRもおすすめ

パニック障害の症状として、強い不安や発作の恐怖だけでなく、過去のつらい経験がフラッシュバックし、今の不安を増幅させているケースも少なくありません。このような記憶が今の不安に影響している場合、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)が有効な治療法となることもあります。

心の専門家によるEMDRが主流ですが、「薬以外にも自分でできることが欲しい」「もっと安心できる時間を増やしたい」と考える方のために、ご自宅でできるセルフEMDRの動画も開発されています。これは、呼吸や視線誘導などを使って、不安や緊張を和らげ、心を落ち着かせる効果が期待できますよ。

セルフEMDRの大きな利点は、お家の中だけではなく電車の中や職場、苦手な場所など、パニック症状が現れそうなその場で使えることです。これにより、症状の緩和や消失をその場で行い、不安を軽減できる可能性があります。

セルフEMDRについてさらに詳しく知りたい方は、当サイトのトップページをご覧ください。パニック障害の治し方として、新たな選択肢となるかもしれません。

セルフEMDRツール「PURELY」の使い方:動画と合わせて実践しよう

セルフEMDRは公認心理師が開発した、ガイドに沿って安全に行えるセルフケア方法です。家庭で試せる手軽さがあり、気持ちの整理や自己理解の手助けとなります。生きづらさ克服の第一歩として、セルフEMDRを活用してみませんか?

セルフEMDR療法を効果的に行うためには、まず「ターゲット(処理する記憶)」を明確に同定することが非常に重要です。以下では、パニック障害に悩む35歳女性クライアントを例に、専門的かつわかりやすくターゲットの見つけ方を説明します。

EMDR療法における「ターゲット」とは

EMDR療法における「ターゲット」とは、現在の心理的苦痛の原因となっている記憶・イメージ・出来事のことを指します。これを特定することで、その記憶に関連する否定的な信念や感情を処理し、今の生きづらさを軽減できます。

クライアントプロフィール(例:35歳女性 会社員)

年齢:35歳女性

悩み:通勤時に電車に乗ると動悸がして怖い。職場でも息苦しさや漠然とした不安感やフラッシュバックに襲われる。服薬治療をしているが、最近は日常生活でも支障を感じる。

背景:1年前に職場でのストレスから、通勤時に電車の中で強い動悸と息苦しさを感じてから、パニック発作に悩まされている。

幼少期:真面目で責任感が強く、人に頼るのが苦手。自分を責めがちで、「早く元の自分に戻りたい」と焦る気持ちがある。


セルフEMDRの始め方3ステップ:動画と合わせて実践しよう

セルフEMDRの動画を活用してご自身で取り組む際の、具体的な3ステップをご紹介します。初めてセルフEMDRを行う場合は、まずは「最近あったつらい出来事」から始めるのがおすすめです。無理なく感情を処理し、少しずつ過去の体験へ遡っていきましょう。

  •  現在のつらい場面を思い出す

まず、今、あなたを苦しめている具体的なつらさから始めましょう。動画を視聴しながら、その感情が呼び起こされた状況を心に浮かべてみてください。

例: 通勤電車の中で突然動悸がして息苦しくなる
   職場での会議中、抜け出せないと思うと不安感に襲われる

→ このような出来事を「引き金(トリガー)」と言います。

  •  引き金から、イメージ・感情・身体感覚を整理する

引き金となった出来事を思い浮かべながら、ガイドに従って以下の3つを整理します。

映像(イメージ):例)混雑した電車の中で身動きがとれない

感情:例)怖い、恥ずかしい、逃げ出したい

身体感覚:例)息苦しい、動悸がする、胸が締めつけられる、

→ これらを明確にすることで、セルフEMDR時の焦点が定まります。

  • 自然に浮かんできた過去の記憶や感情を大切にする
    セラピー中に関連する過去の記憶が自然に思い浮かんだら、そのときのイメージ、感情、身体感覚を同時に感じながらセッションを進めていきましょう。

    例: 職場で強いストレスを感じ始めた1年前の出来事 / 子どもの頃、責任感から無理をして頑張りすぎてしまった経験
    → こうした「似た気持ちを抱いた体験」が新しいターゲットになり得ます。

セルフEMDR実践のヒント

「今のつらさ」を入口にして、「その気持ちを最初に感じた記憶(ターゲット)」を探る

→ その記憶に付随するイメージ・感情・体感を明確にする

→ それを軽減、再処理することで、現在の悩みの根が和らいでいく

このプロセスを丁寧に踏むことで、セルフEMDRの効果が高まり、パニック障害に起因する生きづらさにもアプローチできます。

・いくつかのつらい記憶があるなら、まずは最近の出来事や、比較的感情の波が穏やかな記憶から手をつけるのがおすすめです。

・無理に思い出そうとしない、ご自身が安全で落ち着ける場所で行うことが大切です。

・肯定的な感情や記憶が浮かんできた時も、ターゲットと同時に感じながら進めていきます。

あなたのパニック障害は必ず改善できます

パニック障害は、治療とセルフケアの積み重ねで改善できる病気です。一人でがんばる必要はありません。心の専門家を頼ったり、セルフEMDRのような自分でできる対処法を選択したりしながら、あなたの心と身体が、少しずつでも「安心」に近づいていけますように。